3Dスキャナの勉強を始めた。
1.モチベーション
光学設計者としてレンズ設計だけでなくシステム設計も理解できるようになりたいから。
かの有名な物理学者ファイマンもおっしゃられました。
What I cannot create, I do not understand
ちょっとレベルが違いますが、やっぱり作れないというのはエンジニアとしてあまりおもしろくない。ということで、自ら3Dスキャナを作ってみたい。
2.作成コンセプト
3.計測手法の決定
3D計測で有名どころといえば最近はKinectだ。ToF(Time of Flight)という手法を使っているらしい。最近iPad用に出たStructure Sensor(
http://structure.io/)というのも多分ToFだ。
この他にも3D計測を行う手法はいくつもある。
以下のサイトによくまとまっている。
http://www.visetec.co.jp/wordpress/?p=5
まずはどの手法でとりかかるかだが、簡単そうなのは光切断法。でもこれはいろいろな人がやっていて先日もRaspberryPiをつかって安価に3Dスキャナつくりましたよーって人が海外にいた。しかも結構よく見る。
ということで今回は「パターン投影法」を試すことにした。
パターン投影法の中でも位相シフト法やフーリエ変換法が実装が簡単なのでこれらを中心に勉強をしていく。三角測量の応用なので原理自体は光切断法と大差なさそうだ。原理についてはまた後日掲載予定。
ざっと調べた感じ光切断法と比べたパターン投影法のメリットは
- 測定時間が短い(研究ではリアルタイム計測もやられている)
- 精度が良い(研究ではμmの精度も出せてるようだ)
逆にデメリットは
- 値段高い…
- プロジェクタの明るさが必要(明るいと値段も上がる)
今回はRaspberryPiを使うのでポータブルなシステムにしたい。
プロジェクタはポータブルタイプで80ルーメンあたりが主要なようだ。値段は3万円程度(RaspberryPi 10個分…)。しかし、精度のよい3Dスキャナは何十万円とするみたいなので、ポータブルで精度のよい物ができればコストメリットは十分にある。
ということで「パターン投影法」をやる意味は見い出せた。
4.カメラとプロジェクタの選定
カメラはRaspberryPiのカメラモジュールを使う。画素数は5Mしかないけど、多分十分だし何より安い。必要になったときにいいやつにグレードアップさせよう。
プロジェクタは悩んだ。明るいやつにすれば大きくて高くなる。それだとコンセプトに合わない。正直最低限の明るさがどれくらいかわからないが、最悪部屋を真っ暗にすれば試作はできそうなのでポータブルでなるべく明るいサンワサプライのを選んだ。これはバッテリー搭載でポータブルなのはもちろんmicroUSBでRaspberryPiにも給電できそうだ。
ちなみに余談だが、最近はプロジェクタの素子には
DLPを使うことが多いそうだ。LCD(液晶)と比べて、透過率が良いのが利点のようだ。
今後の展開
今後は理論を勉強して実装を試みたいと思う。
理論は簡単な説明はあるけど、3Dスキャナを自作できるほどの包括的な情報がないのでできれば公開していきたい。